事例紹介

「硬くて脆い」など材料の2面性強さの評価 MSEマップ

  • 2条件試験
  • MSEマップ
  • (ヤング率・硬さ)
  • (脆性・耐衝撃性)

MSEマップで解決できる課題

【課題】
材料の強さは「硬くて脆い」などの2面性強さを持っていることが知られている。バルク材料では引張試験や衝撃試験で2面性特性を測ることができる。
しかし、薄膜や表面改質では2面性強さを測ることは困難とされている。そのため、部品や製品ベースでの不足のトラブルや耐久性不足などが発生している。薄膜や表面改質であっても2面性強さを測りたい。

【解決】
MSE試験の試験条件を変えることで薄膜や表面改質であっても2面性強さが測れる。
下記に均一な材料を対象にした2種類の異なる試験条件の強さの位置付け図(MSEマップ)の事例を示す。
横軸は硬さやヤング率系の強さを示し耐摩擦摩耗系であり、縦軸は靭性や繰り返し疲労系の強さを示し耐衝撃摩耗系でもある。
※各軸のMSE抵抗値:エロージョン率の逆数とし数値が大きいほど強い。

無機材料のMSEマップ

無機材料のMSEマップ
case_12_01.png

・材質別にグループ単位になり、それぞれ材質系では横軸の分布は狭く縦軸の分布は広い傾向を示している。
・アルミナ(Al2O3)を例にとると、横軸の数値の分布幅は狭いが縦軸の分布は広く、縦軸と横軸の最大位置に単結晶サファイアがある。横軸には硬さやヤング率系が示され、縦軸には欠陥量や粒子結合強度などの靭性系の強さが示されているように見える。

有機材料のMSEマップ

有機材料のMSEマップ
case_12_02.png

・樹脂系とゴム系では縦軸と横軸の傾きが異なる。
・本グラフは各材質の代表を一個のみ表示してある。
・同じ材質で構成の異なる塗装を例にとると、横軸の分布は狭く縦軸の分布は広い。マトリックス材料のアクリルウレタンと強化材の顔料で構成される複合材料と見立てると、横軸はアクリルウレタンの強さが示され顔料の比が変わってもほぼ同じ強さとなり、縦軸は複合材料としての強さが示され強化材フィラーである顔料の含有量違いで大きな強度差が現れることが示されているといえる。

活用の場面

材料開発時の機械的特性確認と同時に各開発因子の傾向把握を強さベースで高速に行うなど
熱処理やキュアーによる強さ変化などの傾向把握や実態強さ確認など
複合材や元素混合率の配合比率を変えた時の強さと脆さの変化の可視化
寿命や耐久性調査における劣化変化の傾向や強度低下の把握など
プロセス最適化を目指した条件・製法などの違いと強さと脆さの変化の可視化

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